人体の構造を考えるための分類

細胞は人体の構造的、機能的な基本単位です。

生物の細胞の構造は、よく調べると、どれもよく似ています。上皮細胞、線維芽細胞、筋細胞、神経細胞、血液細胞など形や働きは違っても、共通のところがあるのです。ここを捉えて、そして、この細胞から身体のしくみを考えていきます。

まず、細胞の基本構造

細胞には、細胞膜・細胞質・細胞小器官がみられます。

細胞膜はリン脂質二重膜で作られることで、膜の中と外をしっかりと区切りますが、膜に埋め込まれているタンパク質が中心と成って物質と情報の移動 (拡散、浸透、能動輸送など)を行っています 。

細胞質 はサイトゾル(75%~90%は水分)を主とし、様々なものを浮かべています。

その細胞質に浮かぶものは、ミトコンドリア、粗面小胞体、滑面小胞体、リソソーム、ゴルジ装置などがありますが、それが細胞小器官です。 また、細胞質には細胞骨格と呼ばれる細胞の形を維持したり動きの土台になったりするタンパク質がみられます。 ミクロフィラメント、中間径フィラメント、微小管 がそれにあたります。

核も細胞質に浮かんでいますが、ここにはタンパク質を合成するための染色質があり、その本体がDNAです。

組織とは

さて、実は細胞の周りも大変重要な役割をしています。その細胞の周りのことを細胞間質と呼んで、細胞とその周囲の細胞間質をあわせて組織と呼ばれていますが、それは上皮組織、結合組織、筋組織、神経組織の4種だけで、この4種で人体の構造はつくられます。

器官系 とは

さて身体を別の角度からみると、身体には様々な肉眼的にもはっきりとした構造があります。たとえば、心臓、肝臓、胃や脳など。これらは器官、臓器 と呼ばれますが、実は先ほどの組織の組み合わせによって作られる機能の単位となっているものです。そしてその構造から、実質性臓器(肝臓や脳など)、中空性臓器 (胃、膀胱など)に大別されています。

また、身体ではいくつもの器官が集まって大きな機能を営んでいることから、身体の機能別にまとめられた器官の集まりを器官系と呼びました。

 

器官系には以下のものがあります。

骨格系・筋系 は脊柱、腸腰筋など 身体の運動・支持=効果器となるもの

感覚器系は 眼、耳など 情報の受容=受容器となるもの

神経系・内分泌系 は脳、甲状腺など 情報の仲介・管理をおこなうもの

脈管系は 心臓、動脈などで 栄養素や酸素・二酸化炭素・老廃物の運搬 をおこなうもの

消化器系は 胃、肝臓など 栄養素などの消化と吸収をおこなうもの

呼吸器系は 気管、肺など 酸素の取り込み、二酸化炭素の排出 に関するもの

泌尿器系 は腎臓、膀胱などで 老廃物の排泄、血圧調整に関わるもの

生殖器系 は精巣、子宮など で種の保存に関わるもの

 

人体とは、細胞が集まり組織をつくり、組織の組み合わせによりつくられた臓器と、それがまとまった器官系で構成されたもの、と解剖学は捉えます。

そして、西洋医学の治療科目もこれを基準に構成されています。

 

しかし、大切なのはその関連では?

解剖学ではこのように、器官系として分類することで科学的に分析していますが、これを身体の治療という観点から考えると、それぞれの器官の関連を考えなくてはならないのです。たとえば、筋を動かすのは体性神経系であり、栄養を供給するのは循環器系であり、栄養は消化器系などの内蔵でも必要であるので、その調整には自律神経系が重要となる。もし、筋の不調があったととしても、この関連するところのどこかに問題があっても影響するわけですから、本当は単純に筋の問題と処理することはできません。

しかし、もし貴方が筋の不調を抱えたとき、それぞれ治療する科目が分かれれている西洋医学の、どこへ訪れれば良いのでしょうか。

 

整形外科ですか、脳神経外科ですか、あるいは、循環器科でしょうか、それとも神経内科でしょうか。