鍼は痛いですか?

周りの人に薦められても、やっぱり鍼は痛いんじゃないかなあと躊躇していませんか。そのイメージは、小学校時代の注射。それは本当に痛い記憶。しかし、一度、注射針の尖端と鍼の尖端を見比べていただくと、その違いは歴然です。


注射の役目は、採血や薬の注入。
そこで、注射針の尖端はメス状になって、皮膚を切り、穴を開ける必要があります。ところが鍼の尖端は、ミクロン単位の点状に開いた皮膚を押し開いて刺入されます。ですから、鍼を刺す瞬間が丁寧であれば、鍼はけっして痛くありません。

お灸は熱いですよね。

子供の頃、なにか叱られると「お灸をすえる」という時代もありました。

お灸は本当に熱いのでしょうか。
はい。やたらにいろいろな場所へすえれば、確かにお灸は熱いです。

ここで大切なのは、すえる場所。
私たちは、経穴=ツボをさがし、必要な場所を選びます。その場所はたとえば「水分の多いところ」。さて、ここへのお灸を一度味わってみてください。その染入るような感覚と、身体に良いことの気持ち良さが、まさに実感いただけると思います。

 

 


鍼や灸が見直されています。

現代の医療で、西洋医学は、その科学的な診断技術と、疫病に対する薬剤療法、腫瘍除去などの外科手術を中心に、私たちの健康になくてはならないものとなり、医療と言えば西洋医学とまでに、ここ百年ほどでなりました。ただ、うまく診断が行えない場合にみられる検査づけ、これは首をかしげることもあります。このようなとき医師が行う診断は、坐骨神経痛だったり更年期障害だったりと、いわゆる除外診断。結局、不本意な治療で終わらせていることもあるようです。

そこで、鍼灸。

鍼や灸で目指すことは、ゆるめる、温める、ということ。そして、「かたち」のバランスを整え、スムーズな「ながれ」を取り戻すことです。


全身のバランスで無駄な緊張をゆるめ、「かたち」を整えていく。
局所の循環改善から全身を均等に温め、「ながれ」を円滑にする。


また、鍼やお灸の効果は、免疫や、脳にも秘密があるようです。現在、様々な西洋的な研究が進められています。もちろん、身体にとっては鍼という異物が侵入するわけですし、お灸は熱刺激により細胞の微細構造が変化します。そこで、そのことにより身体に元来備わっている修復機構が働き出し、自律機能や免疫機構が賦活されるのかもしれません。

そして、その刺激が脳へ伝えられ、全身のバランス調整が働いて、身体の活性化とリスタートが行われるのではと考えられています。

 


温故知新


西洋医学では身体を細胞や器官などの部分の集合として捉えることから始めます。

それに対し東洋医学では、それぞれの機能の全体との関連に注目し、全身の状態から「ながれ」と「かたち」のバランスの崩れや歪みを探し、それぞれに合ったオーダーメードの治療を行います。

過去二千年以上、受け継がれてきた治療。

ですから、西洋医学とは違った観点から患者さんを支えていける、ともいえるのではないでしょうか。

養生と日々のお手入れ、お治しします

身体の不調は様々な原因があります。
しかしながら、東洋医学的にみると現代の病の最大のポイントは、固さと冷え。

これを除くには普段の生活と心がけ、つまり養生がとても大切なのですが、調子が思わしくないときは、生活の歪みとともに必ず固いところと冷えたところが現れているはず。当治療院では、身体を観させていただきながら、なかなか自分では気づくことのない部分のアドバイスとともに、特に身体を内側からゆるめ、そして、温めていくことを第一に治療を進めます。

 

 

 

 

グローバル=世界標準かつローカル=地域の重要性が同時に求められる現在。 自分の身体にとって本当に良いものならば、西洋か東洋か、標準か特殊か、ということに捉われ過ぎずに、今、何が必要なのかをしっかり見据え、治療するごとに日々の動作や感覚に変化が現れる、鍼灸治療を試してはいかがですか。

 

どの一歩も、勝利なり。 <老子>